配食と宅食、似ているけど違いはあるのでしょうか。配食と宅食がどのように違うのか、知らない人が多いです。配食と宅食のメリットやデメリットを比較するなど、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。これから配食を開業しようと考える人は、違いを知っておくことが大切です。
配食と宅食は何が違う?
配食と宅食は、どちらもお弁当などの食事を届けるサービスです。さまざまな違いがありますが、大きく分けると2つの違いがあります。まず1つは、配食は届ける先が自宅のほかに高齢者施設や医療施設などが含まれますが、宅食の届け先は主に自宅です。もう1つの違いは利用者層で、配食は高齢者が中心ですが、宅食は幅広い年代が利用します。
ただ、明確に分けられているわけではないので、それほど違いについて神経質になる必要はないでしょう。
配食とは
配食は、配食サービスや配食ビジネスと呼ばれることが多いです。運営は市区町村が主体となるものと、民間が主体のものに分かれ、市区町村が主体となっている場合には介護保険が適用されます。民間が運営する配食サービスは、誰でも自由に利用が可能です。市区町村が運営する配食サービスは、ケアプランに組み込まれて公金が使われるため、利用には制限があります。
メニューは配食業者によって異なりますが、一般的なメニューのほかに、高血圧や腎臓病など、食事の制限が必要な人の食事療法に対応しているものが多く見られます。また、飲み込みが不安な人に対応したメニューがあるのも、配食の特徴です。より多くのケースに対応できるメニューがあれば、利用者を増やしやすいでしょう。
配食は依頼者に、毎日手渡しで届けることが基本です。毎日直接渡すことで、安否確認ができます。食事を届けるだけでなく安否確認ができることで、サービスに付加価値を付けられることが大きなポイントです。玄関に受け取りに出てくるかどうかだけでなく、配達員が利用者の話し方など言動に異変を感じ、重大な病気が発見できるケースもあります。
宅食とは
宅食は冷凍のお弁当やお惣菜、調理するためのミールキットなどを配送するサービスです。一般的には、週に何回、何週間など回数や期間を決めたうえで、定期契約をして利用します。また、直接配達するのではなく、宅配便で届けます。まとめて届くので、毎日受け取る必要がなく、忙しい人に好評です。
メニューは業者ごとに特色があり、好みに合わせて選べます。宅配便を利用するため、エリアに関係なく利用できるのも大きなメリットです。メニューの選び方も業者ごとに異なり、コースを選択する方法や、メニューの中から好きなものを選択する方法などが見られます。
宅食には、次のようなタイプに分かれています。
冷凍弁当・冷凍総菜
宅食で多いのが、レンジで温めてそのまま食べられる、冷凍弁当です。冷凍なので、長期にわたって保存できるため、まとめて購入できるのがポイントです。弁当タイプのほかに総菜もあります。総菜の場合はご飯と汁物は準備するか、総菜にスープがある場合はご飯の準備が必要です。
ミールキット・食材配達
食材と調味料がセットになったものを、ミールキットといいます。食材はカットされていることが多く、そのまま使えて便利です。調味料も必要な量が入っているので、簡単に味付けができます。ミールキットは、メニューを考えて材料を揃える手間がかからないので、忙しいけど自分で料理をしたい人に人気です。
また、食材だけ配送してほしい人は、ミールキットではなく食材配送を利用します。買い物に行く手間が省け、新鮮な野菜や肉、魚介類が届くことが好評です。
配食や宅食を利用する人が感じるメリット・デメリット
配食や宅食を運営するには、利用する人がどのようなメリットとデメリットを感じているのかを、知っておくことが大切です。メリットやデメリットを知ることは、新しいサービスを見出すきっかけになるかもしれません。
配食のメリット
栄養のバランスがよい食事を毎日食べられ、病気など食事制限がある場合は、対応した食事を依頼できます。毎日届けてもらえるので、倒れるなど何かあった場合に気づいてもらえる安心は、大きなメリットです。
また、外出が難しい人だと、人と話す機会が少ないです。毎日届けてもらえる時に言葉を交わせることは、気持ちが明るくなるでしょう。
配食のデメリット
配食は毎日お弁当が届けられるサービスなので、利用できるエリアが限定されます。エリアによって複数の業者から選べるところもあれば、利用可能な業者がいないエリアがあるのもデメリットです。
また、メニューが決まっているので、その日の気分で選べません。好き嫌いが多い人や、食へのこだわりが強い人は、配食を利用しにくいかもしれません。
宅食のメリット
宅食は弁当や総菜、ミールキットが届くので、料理や買い物に行く手間が省けます。仕事や育児が忙しくて、食事をつくる時間がない人に多く利用されています。また、カロリーをコントロールしやすいことから、ダイエット中の人も安心して食事ができるでしょう。
仕事が終わってから買い物に行ったり、献立を考えたりすることは、とても大変です。保育園に子どもを迎えに行かなければならない人は、さらに負担が大きくなります。宅食を利用すれば、温めるだけで食事ができ、ミールキットだと調理は必要ですが献立を考える必要がありません。
栄養のバランスがよいだけでなく、さまざまなメニューがあることが魅力です。普段自宅では作らないようなメニューもあり、食事を楽しめます。
宅食のデメリット
宅食のデメリットは、コストがかかることです。自炊するよりも高くなるケースは少なくないでしょう。しかし、高くてもメリットのほうが大きいと感じる人が利用しています。
また、毎日届くわけではないので、明日から宅食を利用したいと思っても、すぐに届く業者はほとんどありません。冷凍のお弁当やお惣菜、ミールキットがまとまって届くので、冷凍庫や冷蔵庫などのスペースを考えて注文しなければなりません。
まとめ
配食と宅食は、どちらも食事を届けるサービスです。配食は常温のお弁当が毎日届き、宅食は冷凍のお弁当やミールキットなどがまとまって宅配便で送られます。これから配食や宅食の開業を検討している場合、違いをしっかりと把握して、どちらを始めるのかを決めましょう。