高齢者向けの介護食など、利用者が食べやすい形態の食事を届ける配食サービスに注目が集まっています。
便利な配食サービスを実現するうえで役立っているのが、配食システムです。ここでは、配食システムの仕組みや特徴についてご説明すると共に、配食システムの選び方のポイントもお伝えします。
配食システムでできること
配食システムは、配食サービス上必要な情報を登録し、適切に配食サービスが実施できるようにするためのシステムです。配食システムを使用する際は、基本の情報として、利用者登録を行います。
利用者の氏名や性別、年齢、住所といった個人情報に加えて、食に関する詳しい情報を入力して登録可能です。適した食事形態についての情報や、アレルギー情報、さらには苦手な食べ物など一般的な食の好みに関する情報まで、細かく登録しておくことができます。
普通食、ひと口食、きざみ食、ソフト食、ミキサー食といった咀嚼や飲み込みのレベルに合った食事を適切に提供するため、食事の形態については特に精確に登録しておくことが求められます。
配食システムのメニュー登録の機能では、利用者別に配食するメニューを登録しておくという基本的な機能に加えて、メニュー変更や食事構成の変更、料金の変更などを行うことができます。
利用者の健康や介護レベルによって、適した食事形態が変わるというケースもみられるので、適切に機能を使いこなして速やかに対応することが必要です。
配食サービスでは、配食がキャンセルになるケースも多いものです。配食システムのキャンセル機能では、利用者の配食のキャンセルに関する情報を管理できます。
当日や前日の急なキャンセルから、一定期間配食のお届けを休止するキャンセルまで、多様なキャンセルに柔軟に対応できて便利です。
決まった内容のお弁当などの配食に加えて、配食時に一緒に届ける販売品の注文にも対応できる機能を備えていると、より利便性が高まります。
スイーツなどの嗜好品や、補食として食べられるパンなどを注文品として取り扱う場合、配食システム上で管理ができると、とてもスムーズです。
決まりきった食事の配食だけでは何だか物足りない、という利用者のニーズに柔軟に応えられる販売品注文は、利用者の満足度の向上や売り上げ増に結びつくものです。
実際に配食をする段階では、配食システムのコース登録や配達順登録の機能が役立ちます。配食サービスの利用者の住所情報を基に、効率よく配食のできる配達コースをあらかじめ設定しておくことで、よりスムーズに配食をすることができます。
配達ミスや遅延を防ぐためにも、コースの効率化を実現しましょう。コースの効率化は、配食の担当者やドライバーの負担の軽減にもつながります。
利用状況のデータをもとにした配食集計や配食履歴をチェックできるのも、配食システムを利用するメリットです。
システム上で分かりやすくデータ化された状態で確認ができるので、別のソフトを使って表や図にまとめるといった手間を省くことができます。
また、配食の献立表を一覧で表示したり、プリントアウトしたりすることも可能です。食事内容に偏りがないか、季節感のある内容になっているか、といったメニューの振り返りや見直しをする際に、献立表は大いに役立ちます。
配食サービスに関する様々な情報を効率よく管理して、賢く活用できるのは、配食システムならではの大きな魅力といえるでしょう。
さらに、配食システムでは、利用者の月毎の配食状況に合わせた請求データを出力することもできます。
利用履歴をベースにして自動的に請求データを作成できるので、正確な情報を反映した請求データをスピーディに作成でき、請求書の作成にかかる負担を大幅に削減できます。
個人の請求データだけでなく、支払い方法別に請求データを出力するといった使い方も可能で、データ活用の幅が広いです。
配達時の状況をリアルタイムで確認できる配食システムもあります。
指定時間にきちんと利用者のもとに配達ができているかどうか、遅延が発生していないかといった点について、配食システムを利用することで確認ができ、サービスの質を維持、向上するうえで役立ちます。
配食システムの選び方
配食サービスが普及するなかで、サービスを支える配食システムを提供する会社も増えています。配食システム導入の際は、複数の配食システム提供会社についてしっかり調べて、料金面や機能面を比較するようにしましょう。
簡単な操作で登録や入力が行えるシステムであれば、時短で精確性の高い管理ができます。
また、操作性が容易なシステムは、配食システムの担当者が変更になった場合にも、すぐに操作に慣れて対応しやすいというメリットもあります。
配食に伴うキャンセルや変更に関しては、ネット上で変更を行えるシステムもあれば、電話やファックスのみの対応となっている会社もありますので、注意してください。
また、サイト上での管理に加えて、アプリからの利用ができる配食システムも登場しています。
アプリからの利用にも対応した配食システムは、配食を担当する配達員が、ルート確認をしたり、利用者の住所をマップ上で確認したりする際に便利です。
初めての配達先で場所がわかりづらいというときにも、マップで確認ができれば、滞りなく配達を済ませられるでしょう。
利用者個人の基本情報もアプリで確認できるため、配達時の注意点に配達員が目を通すことで、利用者のニーズに合ったサービスを提供しやすくなります。
配食サービスに関わる人材は、常にパソコンの前で作業をしているというわけではないため、スマホのアプリが使えると活用の幅が広がります。
会社ごとの利便性の違いに注目して、適した配食システムを選ぶようにしましょう。
まとめ
配食システムは、食事の配達を行う配食サービスを支える存在です。利用者の個人情報やメニューの登録といった機能だけでなく、配達のルート設定や請求データの管理など、配食サービスの円滑化に役立つさまざまな機能を備えています。
より質の高い配食サービスを提供するために、配食システムを適切に選んで活用してください。