宅食を開業する際に、置き配の可否について迷う人は多いでしょう。置き配ができるかどうかで、配送方法が大きく異なります。
置き配にする場合は自社配送にする必要があり、従業員や資材の確保も必要です。
大変な反面、最近では置き配を希望する人が増え、一人暮らしや共働き夫婦など、忙しい人の利用が見込めます。
今回は、宅食の置き配について解説します。これから配食を開業しようと検討している人は、ぜひ、メリットやデメリットなど比較してみてください。
宅食とは
宅食とは冷凍のお弁当やお惣菜、またはミールキットや食材などを配送するサービスのことをいいます。一般的に宅食は、週に何回、何週間など回数や期間を決めて、定期契約を結びます。
直接配達するのではなく、宅配便で届ける業者がほとんどです。冷凍が多いため、まとめての配送が可能なので、毎日受け取る必要がなく、忙しい人に好評です。 業者ごとに特色あるメニューで、好みに合わせて選べます。
宅配便の利用が一般的なので、エリアに関係なく広く顧客を得られることが大きなメリットといえます。メニューの選び方も業者ごとに異なり、コースを選択する方法や、メニューから好きなものを選択する方法などさまざまです。
宅食の種類は、冷凍弁当やミールキットが主流となっています。
冷凍弁当
レンジで温めてそのまま食べられる、お弁当です。冷凍なので、保存が可能なため、まとめて発送できます。
お弁当のほかに総菜もあります。総菜にはご飯はついていません。
ミールキット
ミールキットとは、食材と調味料がセットになったもののことです。そのまま使える便利さから、食材がカットされているものが人気です。調味料も必要な量だけが入っているので、簡単に味付けができます。
ミールキットは、メニューを考えたり材料を揃えたりする手間がかからないので、自分で料理をつくりたい人に人気です。
また、食材だけ配送してほしい人が利用するのは、食材の配送です。買い物に行く手間だけが省け、新鮮な肉や野菜、魚介類などが届くことが好評です。
宅食は置き配にできる?
宅食は、置き配にできるものと、できないものがあります。どのような違いがあるのか、解説します。
自社配送は置き配が可能
自社配送なら、配送のルールを自社で決められるため、置き配が可能です。配送可能なエリア、置き配にするためのボックスや封をする資材の準備、配送する従業員の確保など、開業前の準備を徹底しておかなければなりません。
置き配の場所も、宅配ボックスや玄関前、メーターボックスや自転車のカゴなどさまざまです。どの範囲を可能にするのかを、検証する必要があります。
あらゆる状況を想定して準備しておかなければ、開業後の混乱が予想されます。
クール便での宅配は置き配できない
宅食で一般的に利用されているのは、クール便での宅配です。置き配には対応していないので、直接受け取る必要があります。
配達の日時指定や、不在の場合には再配達が可能です。
宅食を置き配にするメリット
宅配を置き配にするには、次のようなメリットがあります。メリットを見てみましょう。
集客しやすい
1人暮らしや共働き夫婦など、特に忙しい人はお弁当や外食などの利用が増加傾向にあります。しかし、受け取ることが面倒という理由で、宅食を利用せずにほかのサービスを選んでいる人も多いです。
また、置き配を希望するのは留守宅ばかりではありません。玄関のチャイムで赤ちゃんが起きてしまうと困る人や、玄関へ出るのに時間がかかる高齢者など、在宅していても置き配を便利と感じる人がいるのです。
そこで、置き配が可能な宅食事業を始めた場合、受け取りが難しくて宅食を利用していない人を取り込める可能性が高まります。
時間指定が不要のため効率的
自社配送のため、配送のルールは自由に設定できます。置き配なので時間指定を不可としても問題ないでしょう。
都合のよい時間やルートで配送できるので、効率的な配送ができます。
宅食を置き配にするデメリット
宅食を置き配にすることは、メリットだけでなくデメリットもあります。開業する際には、デメリットよりもメリットが上回るかどうかを、しっかりと確認しなければなりません。
従業員の確保
自社配送だと、当然ですが配送をするスタッフが必要です。人員不足で配送できない日ができると、信頼を失ってしまいます。従業員が不足すると業務に支障が出ますが、多すぎると人件費がかかりすぎて経営に支障が出そうです。
資材の準備が必要
置き配にするなら、受け取りのための保冷ボックスや、封印シールなど、資材の準備が必要です。
エリア限定となる
自社配送だと、エリアを限定した営業となります。配送可能なエリアをどの範囲にするのか、しっかりと検討しなければなりません。
宅配便での配送であれば、遠方も配送可能です。日本全国を対象に、事業を行えます。
宅食を置き配にするときの注意点
置き配が禁止されている集合住宅がある
マンションなどの集合住宅では、規約で置き配が禁止されていることがあります。宅配ボックスが設置されていても、食品は使用できないこともあり、注意が必要です。また、共用部分に私物を置くことができないマンションもあり、集合住宅では事前に確認しておくとよいでしょう。
箱数が多いことがある
宅食は冷凍や冷蔵品のため、1食ずつの配送ではなく、まとめて配送されます。そのため、1回の配送で何箱も届くことがあります。
箱数が多いと、宅配ボックスや保冷ボックスに入らない可能性が高いです。
同じエリアの競合を調べる
開業を予定するエリアで、置き配での宅食業者がほかにあるかどうか、調べる必要があります。競合の業者がある場合には、どのような商品を扱っているのかもチェックしましょう。
置き配可能な宅食の開業は、チャンスがある反面、エリアが限られるためにリスクもあります。
まとめ
置き配ができる宅食サービスは、直接受け取ることが難しい人も購入できることから、多くの顧客を獲得するチャンスがあります。これから開業を検討している方は、エリアやメニュー、置き配の場所など、綿密に調査や検討をして、失敗のない経営をめざしましょう。