ー在宅の高齢者向けの配食サービスとは？安否確認で家族も安心ー

高齢化社会では、配食サービスの需要が高まり、今後ますます増加傾向がみられるでしょう。配食サービスは、高齢者施設だけではなく、在宅の高齢者にも人気です。

 

自宅への食事のサービスといえば、宅食もありますが、なぜ宅食ではなく配食が高齢者に支持されているのでしょうか。配食サービスは、安否確認ができることも注目を集めています。

 

今回は、在宅の高齢者向けの配食サービスについて解説しています。

 

在宅向けの配食サービスとは

配食とは、お弁当などの食事を届けるサービスをいいます。配食は届ける先が高齢者施設や医療施設などが含まれますが、個人宅にも届けられるため、在宅の高齢者に人気があります。

今回は、在宅向けの配食サービスについて解説します。

 

そもそも「配食」とはどのようなサービスなのか

配食は、市区町村が主体となって運営しているものと、民間のものの2種類があります。市区町村が主体で運営する場合には介護保険が適用されるので、利用できる人は制限されます。一方で民間が運営する配食サービスは、介護保険が適用されないため、制限はなく誰でも利用可能です。

 

メニューに特徴があり、一般的なお弁当のほかに、食事療法で制限が必要な人に対応しているメニューが豊富に揃っています。飲み込みが困難な人に対応したメニューがあるのも、配食ならではです。利用者層を広げるためには、さまざまなケースに対応できるメニューを用意することで、利用者が増やしやすくなります。

 

配食の特徴はほかにもあり、直接手渡しで届けることが基本のスタイルです。毎日直接渡すことで安否確認ができ、家族が遠くに住んでいる場合など、安心できると好評です。食事を届けることに加えて、安否確認ができるのは、サービスに付加価値を付けられます。また、安否確認では、受け取りに出てくるかどうかの単純な確認だけではありません。配達員が利用者にお弁当を受け渡しをするちょっとした会話のなかでの話し方や、歩き方など言動に異変を感じ、重大な病気を発見できた事例があります。

 

在宅の高齢者向け配食サービスが人気の理由

在宅の配食サービスは、なぜ近年注目されているのでしょうか。人気の理由を解説します。

 

家事の負担が大きく軽減される

食事に関する家事は、ただ料理をするだけではありません。買い物へ行き、献立を考え、食事のあとは片付けをします。準備や片付けで出たゴミの処理も必要です。高齢になると、このような家事をすべてこなすことが、徐々に難しくなります。スムーズに家事ができなくなると、ケガやヤケドなど、リスクも大きくなるでしょう。

 

配食サービスのお弁当は、何も手を加える必要がなく、そのまま食べられます。片付けも必要ないので、家事の負担が大きく軽減されます。

 

メニューが豊富

配食が出前などほかのサービスと大きく異なることは、契約している期間中は毎日届くことです。毎日継続して食べることが前提のサービスなので、飽きないようにメニューが工夫されています。多くの食材を使用した、毎日異なるバラエティ豊かなメニューが人気です。

 

また、季節を感じられるメニューや、節分やひな祭り、クリスマスなどの行事に合わせたメニューが用意されることもあるでしょう。自分ではつくらないような、凝った料理や珍しい料理が食べられることも人気の理由です。

 

食事制限にも対応できる

高齢者の食事に関する悩みの一つが、食事制限です。塩分や糖質、カロリーを抑えた食事が必要な場合、メニューを考えることも大変です。夫婦で生活している場合、どちらか片方に食事制限があるだけでも大変ですが、それぞれに違う制限があるという状況も考えられます。

 

たとえば、夫は塩分に制限があり、妻は糖分に制限がある場合など、献立づくりは崩壊しそうです。このような場合も、配食サービスを利用すれば、それぞれの食事制限に合わせたものを届けてもらえます。

 

安否確認のサービスが付いている

配食には、安否確認のサービスが付いていることが一般的です。 直接手渡しで弁当を届ける配食サービスだからこそ、可能なサービスともいえるでしょう。家族が遠くに離れて暮らしている場合には、家族が安否確認サービスを利用するために配食を契約するケースもあるほどです。また、高齢者自身も、何かあったときに安心だと考える人が多く、人気があります。

 

配食を開業する際には、安否確認サービスを取り入れ、アピール材料にするとよいでしょう。

 

在宅高齢者向けの配食で安否確認サービスが人気の理由

配食では、安否確認サービスが一般的であることを紹介しましたが、なぜここまで安否確認サービスが注目されているのでしょうか。

 

配食サービスの開業にあたって、安否確認サービスが人気の理由は、ぜひ押さえておきたいポイントです。

 

居住地が遠くて安否確認が難しい

子どもがいる高齢者でも、遠く離れて暮らしている人は少なくありません。電話などで安否確認をすることも、毎日となると大変です。

 

親が電話に出ない場合、倒れているのか、寝ているだけなのか、単に気づいていないからなのか状況がわからないために心配です。状況がわからなければ、どう対応してよいかわからず、不安だけが大きくなります。

 

近くに住んでいても忙しい人が増えている

近年では共働きが増え、近くに住んでいても、なかなか親の安否確認に手が回らない人は多いでしょう。

 

共働きで、子どもの世話をしながら、さらに親の安否確認となると、ほぼ不可能と考えられます。何かあったときに連絡がもらえる、安否確認サービスを利用すれば、本当に駆けつけなければならないときだけ、対応すればよいのです。これなら、子どもも安心して生活できます。

 

高齢者自身が安心できる

1人暮らしの高齢者だと、何かあったときに助けを呼べない状況は不安です。家のなかで転倒などで骨折しても、手が届く場所に携帯がなければ救急車を呼べません。

 

配食サービスで配達員が毎日訪問するという状況は、家族だけでなく、高齢者自身も心強いでしょう。

 

まとめ

高齢者の増加にともない、在宅の配食サービスのニーズも増えてきています。そこには、食事の不便から解放されたいという思いのほかに、安否確認サービスも大きく影響していることが伺えます。

 

在宅の高齢者向けの配食サービスを始めようと検討されている方は、ぜひ安否確認サービスにも注目してみてください。